2007年8月27日
「無所属県民クラブ」結成!

補正予算に際して予算要求を含む改策提言を会派として行なった

去る8月7日に発表された月例経済白書においては、先行について、企業部門の好調さが持続し、これが家計部門へ波及し国内民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれ一方、原油価格の動向が内外経済に与える影響等には留意する必要があるとされています。
しかしながら、戦後最長となった現在の景気拡大も、8月13日に発表された4〜6月期GDP(実質国内総生産)では前期比0.1%増とぎりぎりプラスで、年率換算では0.5%増であり、景気の勢いが今後加速する状況とはなっていません。また、景気が順風の中でも賃金の増加は見られず、月例経済報告に言う家計への波及は、生活実感としては感じられない上に、地方においては、かえって格差が広がっているように感じられます。
本県の財政におきましても、平成18年度決算において、法人二税等の伸びにより県税収入は過去最高となったものの、6年連続で地方交付税は削減され、結局、80億円も財政調整的基金を取り崩さざるを得ない状況となっています。さらに、経常収支率93.2%で、依然として硬直した財政構造が続いているほか、県債残高も引き続き1兆円規模となるなど、一段と厳しさを増している状況であります。
このように、景気が拡大しているにもかかわらず、かえって県財政は苦しくなるという矛盾した状況にあっても、行政としては、真摯に県民の声に耳を傾け、真に必要な施策への選択と集中を図り、費用対効果に優れた事業へと転換を図るなど、多様化・高度化する県民ニーズに的確に対応していかなければなりません。私たち無所属県民クラブは、平成19年度の9月補正予算に関連し、以下の諸点について要望いたします。


1 地方分権改革への対応について
平成18年度決算において、本県財政は過去最高額の県税収入となったにもかかわらず、80億円もの財政調整的基金を取り崩すこととなった。
こうした状況となっている理由としては、地方交付税等の削減や廃止された国庫補助に見合う税源移譲がされていないなどの三位一体の改革に伴う影響が大きいものの、県としても、徹底した歳出削減努力及び創意工夫による新たな財源の確保などがまだまだ不足していると言わざるを得ない。
しかしながら、多様化・高度化する県民ニーズに責任を持って対応していくためには、現在の行財政制度では限界があるのも事実であり、国・県・市町村の役割分担に基づく税財源配分がしっかり行なわれていないことが、極めて厳しい地方財政の大きな要因となっているものと考えられる
ついては、現在本格的に議論されている第二期地方分権改革に県として積極的に関与し、それぞれの主体が担うべき役割に見合う税財源の配分など、地方行財政制度の抜本的な改革に向け最大限努力していくこと。


2 合併した市町村に対する対応について
本県の市町村合併は、従前の49市町村から現在31市町となり、順調に進んでいるところである。
こうした流れは、住民に最も身近な地方自治体が、責任と権限を持って自立した行政運営を行う体制を整備していく上で必要なものであることは言うまでもないことである。
しかしながら、例えば、合併前に5市町村あったとした場合、これまでならそれぞれの市町村がいくつかの地域整備に関する要望が出せたのに対し、合併後は1市としての要望となり、地域によっては、合併前よりも各種整備が遅れ、かえって格差が拡大してしまうと言った事になりかねないのではないか、危惧しているところでもある。
県は、合併後の市や町の枠にとらわれることなく、それぞれの地域の実情を十分把握の上、適切な対応をしていくこと。


3 元新競馬場予定地、元競馬場の利活用について
元新競馬場予定地については産業団地、元競馬場については体育館など総合スポーツゾーンとして利活用していくことであるが、最近の景気動向や本県財政の状況等を考慮し、次のとおり要望する。
まず、元新競馬場予定地については、産業団地として開発していくとのことであるが、現在の戦後最長となった景気拡大も何時再び減速局面に入って行くか分からない。何よりスピード重視して、環境アセスや買収地等への対応を行い、できるだけ早期に分譲できるように努めること。
また、元競馬場については各種スポーツ施設の整備に300億円程度もかかるとのことであるが、現在の厳しい財政状況を見れば、そうした整備財源として、将来的に利用計画がない未利用県有地については、できるだけ早期に処分をして、一般財源の確保にも積極的に取り組むこと。


4 旧今市市土沢地区国有地の利活用について
現在、日光市は、日光森林管理署から、旧今市市土沢地区の「シドミ苗畑」について払い下げの打診を受けているが、企業誘致先としての魅力はあるものの、財政的な問題等により買収の意思表示をできずにいる。
一方、県内の産業団地については、ここ数年の好景気で分譲が進み、ストックが減少しているにもかかわらず、県は、近年、新たな産業団地開発に着手していない。
ついては、企業誘致は税収の確保や地域雇用の創出など、県内経済にとって重要な取組の一つであることから、この旧今市市土沢地区国有地の利活用も含め、県としての産業団地開発のあり方について、できるだけ早期に検討すること。


5 「とちぎの元気な森づくり県民税」の周知及び有効活用について
本年6月議会において可決・成立した「とちぎの元気な森づくり県民税条例」については、森林の有する公益的機能の重要性を考慮し、栃木の元気な森を次の世代に引き継いでいくための森林整備等の事業に要する財源を確保するためのものであり、条例の趣旨については大いに賛同するものである。
しかしながら、新たな税の導入にあたっては、県民の理解が何よりも重要であることながら、来年の4月の施行に向けて、県民に対する周知徹底につとめること
また、税の具体的な使途については、既存事業の財源振替とならないよう、その内容を整理すること。


6 地域医療体制の確保について
地域医療体制の確保にあたっては、その中核となる病院の整備が重要である。その意味で、今回、足利赤十字については元足利競馬場跡地へ2011年に、また、大田原赤十字病院については中田原工業団地へ2012年に移転が決まったことは、地域医療体制の充実にとって大変重要なことである。
ついては、本県における地域医療体制の確保・充実を図る上からも、これらの移転整備事業に対し、県として所要の財政支援を行なうこと。
また、大田原赤十字病院など県内中核医療機関に見られる医師不足問題については、特に、産科・小児科を中心に深刻な問題となっている。
県では、これまで、医師研修資金貸与事業、ドクターバンク事業、女性医師臨床復帰支援事業、緊急分娩体制整備事業などの事業に取り組んでいるが、現在のところ問題を解決できるだけの成果は上がっていない。
ついては、一朝一夕に結果が出るものでないことは十分承知しているが、国も医学部定員の枠拡大などを検討しているようであり、こうした制度への対応も含め、医師確保に向けて引き続き最大限の努力をしていくこと。


7 公共建築物の耐震化について
先日発生した新潟県中越沖地震の例を見るまでもなく、大規模災害が発生したときの避難所となる学校施設、公共施設、病院及び社会福祉施設などは、特に、その耐震性が重要となってくる。
しかしながら、本年1月に県が策定した「栃木県建築物耐震改修促進計画」によると、学校で67%、病院・診療所で76%、社会福祉施設等で86%しか耐震化さておらず、また、本年6月9日の新聞報道では、県立高校で50.7%、特別支援学校で62.0%、幼稚園で33.3%しか耐震化されていないとされている。特に、8月22日の新聞報道では、県立高校について、文部科学省の基準が変更となり、耐震改修対象棟数は大幅に増えることが予想されるとのことである。
いずれにせよ、大規模災害が発生したときの避難所となる学校施設、公共施設、病院及び社会福祉施設などについては、早急に耐震診断を実施し、計画的に耐震化工事等を進めること。

8 新たな青少年教育施設の整備について
新たな青少年教育施設の整備については、県教育委員会から諮問を受けた社会教育委員会議において、適正な手続きを踏み「みかも山公園」を適地としたにもかかわらず、候補地として要望を出していた市町からの批判等もあり、再度、設置基準等を示した上で募集をしたところである。
現在、7市町が応募していると聞いているが、それぞれ基準に対する形で応募している中、一つに絞り込むことは困難であるし、そもそも、多少の修正はあったにしても最初から候補地として検討してきた場所であることには変わりはない。
すべて県有地であり交通アクセスや周辺施設との連携を考えれば「みかも山公園」の優位性は変わりないと思われるが、県は、再度応募している市町と禍根を残すことの無いよう慎重に対応すること。

9 足利銀行受け皿選定における中小企業への支援について
平成15年11月に一時国有化された足利銀行については、3ケ年にわたる「経営に関する計画」を達成し、現在、国において、最終的な受け皿選定作業が行なわれており、早ければ今年秋と言われている受け皿の決定が間近に迫り、県を挙げてその動向を注視しているところである。
これまで、足利銀行はその経営計画の達成に向け、債務超過と不良債権の圧縮に努めてきたが、債務超過については3,048億円と計画のほぼ半分、不良債権比率は5.67%まで減少させた。
しかしながら、今後、最終的な受け皿への移行に向け、更なる不良債権の切り離しがあるのではないかと懸念されているところである。県は、気を緩めることなく、再生に向け努力している中小企業の支援に努めること。